NHKの土曜日の朝、「小さな旅」という番組があります。ほかの時間帯でも放送されているようですが私はもっぱら土曜日早朝にみています。
旅番組というより、そこに暮らす人たちのドキュメンタリー作品になっています。
名声高い人たちやいわゆる成功者はでてきません。
その土地に根をはり日々の営みを丁寧に、自然の恵みや人を思いやり、いわば宮沢賢治の世界に生きているような普通の人々に焦点をあてた構成になっている番組です。
恵みに感謝し、家族、隣人を大切にして、努力を当たり前のこととして意識すらせず、黙々と
仕事、生きることをしている人たちの姿があります。
華麗な花ではないけれど野に咲くスミレや勿忘草のような花を咲かせ続ける。
「おかれた場所で根をはり咲く」姿をそこに見ることができます。
若い日、私は何物にもなれない自分がもどかしく鬱々としていた時間が多くありました。そのとき「人はなにを成すかではなく、与えられた状況のなかで如何に生きるかが大切」という言葉を知りました。
迷いながらも、誠実に、ときに失敗を重ねたりしながらも、自分が置かれた場所や状況で生きていくという営みそのものが大切であり愛おしいのだと思います
カモミールが咲いています。この花が大好きです。