Sense of coherence首尾一貫感覚とは1970年代にアーロン・アントノフスキー博士が提唱した概念です。この感覚はストレス耐性、レジリエンスを高めます。
第二次世界大戦の時、ナチスの収容所に収容された経験のある人達の中に、そんな過酷な経験をしながらも、その後の生活に適応して幸福感を以って生きている人たちがいるのを発見しました。
その人たちは、戦争や収容所の過酷な体験をも自分の人生における成長の糧としていたのです。
彼らは大きなストレスに直面しても「わかる感」「できる感」「やるぞ感」を持てていたのです。
「わかる感」とは見通しが持てるという感覚。
「できる感」とは自分の中の資源を集めて、また助けてくれる他者の力を借りて、なんとかなるという感覚。
「やるぞ感」とはそのストレスが自分の人生にとって必要な試練ととらえて挑戦していく姿勢のことです。
自分の人生に起こることは意味があるととらえる感覚のことです。
3.11のあと、多くの大切なものや人を失いながらも、一歩一歩復興していった東北の人たちがいます。理不尽で酷く悲惨な状況の中で、祈りや愛を失わず歩まれてきている方たちの中にもこの感覚があるのだと考えます。